頻度 ほとんどみない
GL東京都感染症マニュアル2018
ニュートピックス
・米国カリフォルニア州で発疹熱は増加し,全181例が報告されている(2023年).
・ウクライナでは戦争による住環境(密集),公衆衛生の悪化や医療インフラの破綻で発疹チフスの増加や高齢者の晩期再発(Brill-Zinsser disease)が懸念される.
治療のポイント
・重症例では病歴と身体所見より早期に治療を開始する.
・妊婦ではアジスロマイシン(保険適用外)が選択される.
◆病態と診断
A病態
・発疹チフス群はRickettsia typhiによる発疹熱(murine typhus)とR. prowazekiiによる発疹チフス(epidemic typhus)を含む.“腸チフス”はサルモネラ属(S. typhiなど)が原因で全く異なる疾患だが,皮疹・海外渡航後など類似点もある.発熱・発疹・「刺し口」がない点は発疹チフス群双方に