頻度 ときどきみる
ニュートピックス
・最近のムンプスワクチン接種後の副反応に関する全国調査報告(2023年11月発表)で,国内の1歳から就学前の小児におけるムンプスワクチンによる髄膜炎発生の頻度は10万接種あたり13.4であった.この頻度は,これまでの報告からの大きな変化はなかった.
・定期接種化が期待されるワクチンの1つである.
治療のポイント
・ムンプスウイルスに対する特異的な抗ウイルス薬はなく,治療は対症療法のみである.
・ウイルス性髄膜炎,難聴,精巣炎,卵巣炎などの合併症が重要である.
・ワクチンで予防できる病気であり,2回の生ワクチン接種が必要である.
◆病態と診断
A病態
1.概念
・ムンプスウイルスの感染による,唾液腺の腫脹を伴う急性の全身性感染症である.
・主に飛沫感染で感染し,潜伏期間は通常16~18日(範囲:12~25日)である.
・ほとんどは軽度で自然軽快する.
・感染者の約1/3は不顕性感染