頻度 あまりみない
GL寄生虫症薬物治療の手引き2020(改訂第10.2版)
治療のポイント
・リーシュマニア症の病型は,内臓リーシュマニア症,皮膚リーシュマニア症,粘膜皮膚リーシュマニア症の3種類に大別され,病型により治療法が異なる.
・診断は生検検体を用いた病理学的検査および遺伝子検査による原虫の証明や,血清学的検査による.
・内臓リーシュマニア症では治療の遅れが致死的となる場合もあり,適切な診断と治療,経過観察が重要である.
◆病態と診断
A病態
・リーシュマニア症はLeishmania属原虫の感染によって引き起こされる感染症である.輸入感染として定期的に症例が報告されるが,国内の土着感染はない.
・原虫は吸血昆虫であるサシチョウバエを介して感染伝播し,主に皮膚,リンパ節,脾臓,肝臓,骨髄に存在するマクロファージ内に寄生する.感染した原虫種により発症する病型が異なり,内臓リーシュマニア症(カラ・アザー