診療支援
治療

回虫症
ascariasis
水野泰孝
(グローバルヘルスケアクリニック・院長(東京))

頻度 あまりみない

GL寄生虫症薬物治療の手引き2020(改訂第10.2版)

治療のポイント

・診断した場合は無症状でも原則的に治療を行う.

・治療後も駆虫判定として1か月程度経過してから再検査を行う.

・メベンダゾールやアルベンダゾールも有効であるが,保険適用となっているのはピランテルパモ酸塩のみである.

◆病態と診断

A病態

・ヒトを固有宿主とする回虫(Ascaris lumbricoides)による寄生虫感染症である.

・感染者の糞便から排出され一定期間土壌中で発育した幼虫包蔵卵の付着した農作物などを経口摂取することで感染が成立する.

・小腸で孵化した幼虫は血流により肝臓や心臓を経て肺に達したのち数日滞在して発育し,経気管的に咽頭へ移行後に嚥下されて小腸に達し2~3か月で成虫になる.

・多数の幼虫が肺に移行した場合には肺炎様の症状(Löffler症候群)を呈することがある.

・少数寄生では無症状のことが多い

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