頻度 ときどきみる(2023年の人口10万人あたり新登録患者数は8.1人)
ニュートピックス
・2023年5月26日より,三種病原体などに分類される多剤耐性結核菌の対象範囲が改正され,イソニアジド,リファンピシン,モキシフロキサシンまたはレボフロキサシンのうち1種類以上,ベダキリンまたはリネゾリドのうち1種以上のすべてに対し耐性を有するものとなった.
治療のポイント
・治療開始前に菌株を獲得し,薬剤感受性検査を行うべきである.
・結核標準治療を行う場合,患者の身体的状況を考慮し,投与薬や投与量を適切に決定する.
・副作用や薬剤耐性判明で標準治療の継続が不可の場合,専門医にコンサルトを行う.
◆病態と診断
A病態
・肺結核症は結核菌を起炎菌とする肺の炎症である.
・肺結核症は感染後そのまま継続して病巣が成立する一次結核症と,いったん免疫が成立して潜伏し,免疫の低下によって菌が再増殖し発病(内因性再燃)する二次結