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GL2020年改訂版 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン
治療のポイント
・治療目的は破裂突然死の予防である.
・多くは破裂まで無症状であり,激しい疼痛は切迫破裂の可能性がある(要緊急対応).
・径が大きいほど破裂率が高いが,嚢状瘤,仮性瘤は小さくとも破裂する.
・紡錘状では,胸部50~60mm,胸腹部60mm,腹部50~55mm以上が手術適応の目安で,これより10mm程度小さい段階で専門医に相談する.
・年間拡大速度は,上行1~2mm,下行2~3mm,腹部3~4mmとされるが,径が大きいほど速い.
・まだ手術適応でないと判断された場合,禁煙など危険因子の管理と降圧を行う.
◆病態と診断
A病態
・大動脈壁の限局的な径拡大(1.5倍以上)または突出で,全周性拡大を紡錘状,円周の一部の突出を嚢状と称する.
・壁構造から真性・解離性・仮性に,占拠部位から胸部(上行,弓部,下行)・胸腹部(横隔膜脚部を