急性胃炎，急性胃潰瘍

acute gastritis and acute gastric ulcer

和田友則

（三楽病院・院長（東京））

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ＧＬ消化性潰瘍診療ガイドライン2020 改訂第3版

治療のポイント

・診断に際しては詳細な病歴聴取に加えて，原則として上部消化管内視鏡検査を施行する．

・原因の除去と消化管安静が基本であり，適宜投薬を行う．

・NSAIDsが原因の急性胃潰瘍の場合は，内服中止が原則である．

・低用量アスピリン（LDA：low dose aspirin）が原因の場合は，可能なかぎり休薬せず継続し，酸分泌抑制薬を併用する．

◆病態と診断

A病態

・急性胃炎・胃潰瘍は外因性あるいは内因性要因により生じた急性炎症で胃粘膜組織に欠損が生じた状態であり，急性胃粘膜病変（AGML：acute gastric mucosal lesion）と総称されている．

・上腹部痛や悪心，嘔吐などの上腹部症状で比較的短時間の経過で発症する．吐血，下血を伴うこともある．出血量に応じてふらつき，血圧低下，頻脈，意識障害などのショック症状を呈す

初出:今日の治療指針2025年版 発行:2025年1月

収載:医学書院 医療情報サービス（2025年4月17日　掲-ID：c25_05718-00_a007z0013）