Ⅰ.尿細管性アシドーシス
頻度 あまりみない
治療のポイント
・アニオンギャップ(AG)が正常の代謝性アシドーシスを呈する.
・遠位型(Ⅰ型),近位型(Ⅱ型),高K血症型(Ⅳ型)に分類され,病型に合わせて鑑別診断と治療を行うことが必要である.
・小児期においては,成長障害を回避し後遺症を残さないために早期診断と治療が必要である.
◆病態と診断
A病態
・Ⅰ型は,遠位尿細管でのH+ の分泌が障害され高度のアシドーシスをきたす.尿中のHCO3- 増加により低K血症を伴う.クエン酸の排泄も低下し,腎石灰化・腎結石の原因となる.シェーグレン症候群や薬剤性(アムホテリシンB)などの鑑別が必要である.
・Ⅱ型は,近位尿細管でのHCO3- の再吸収量が低下するために起こる.アシドーシスの進行によって尿中へろ過されるHCO3- が減少すると,すべてのHCO3- を再吸収できるようになるため極端なアシドーシスにはならない.単
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