Ⅰ.高Mg血症
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治療のポイント
・高Mg血症の原因は腎機能低下時の薬剤性のものが多く,昏睡や致死的不整脈を招く.そのような場合はグルコン酸カルシウムを投与のうえ,早急な透析が必要である.
・腎不全患者に酸化マグネシウムを投与するときには,必ず血清Mg値のフォローが重要である.
◆病態と診断
A病態
・通常,糸球体ろ過量20mL/分/1.73m2 以下になるまでは血清Mg濃度は正常範囲に保たれるので,高Mg血症が生じるのは高度腎不全でかつMg摂取量が多いときがほとんどである.
・重度の便秘やイレウスのときには,投与されたMgが腸内に滞留することで高Mg血症が生じうるので,酸化マグネシウムの投与時には注意が必要.
・高Mg血症は,リチウム治療,甲状腺機能低下症,アジソン病,副甲状腺機能亢進症などでもみられることがある.
・慢性白血病やリンパ腫などでの化学療法時のように,著しい組織崩壊を伴う病態,糖
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