診療支援
治療

先天性溶血性貧血
congenital hemolytic anemia
照井君典
(弘前大学大学院教授・小児科学)

頻度 あまりみない(厚生省調査研究班による1998年の調査結果では,推計受療患者数は溶血性貧血全体で2,600人であり,先天性溶血性貧血はそのうち16.6%であった)

GL遺伝性骨髄不全症診療ガイドライン2023

治療のポイント

・先天性溶血性貧血にはさまざまな病型があり,臨床経過や治療方針も異なるため,正確な診断が求められる.

・特に脾臓摘出術(脾摘)については,有効な疾患がある一方で禁忌の疾患もあり,注意が必要である.

・疾患の種類や重症度によっては日常生活で留意すべき事項が多く,患者教育も重要である.

◆病態と診断

A病態

・溶血性貧血は赤血球寿命の短縮によって発症する貧血の総称である.大きく先天性と後天性に分けられ,先天性溶血性貧血は先天的な遺伝子の異常によって生じる.

・先天性溶血性貧血は発症機序の面から,赤血球膜異常症,赤血球酵素異常症,ヘモグロビン(Hb)異常症に大別される.

1.赤血球膜異常症

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