Ⅰ.急性甲状腺炎(化膿性甲状腺炎)
頻度 あまりみない
治療のポイント
・起炎菌として黄色ブドウ球菌などのグラム陽性菌が多いが,耐性菌も考慮し,広域スペクトラム抗菌薬で初期治療を開始する.
・起炎菌が同定できたら,治療域を狭めた抗菌薬に変更する.
・副腎皮質ステロイドの使用や糖尿病などの免疫不全状態がある場合は,真菌性の可能性も考慮し,抗真菌薬の併用を考慮する.
・抗菌薬投与による治療効果が乏しい場合は,外科的ドレナージや膿瘍の摘出を考慮する.
・再発例で梨状窩瘻を確認した場合は,摘出術を検討する.
・亜急性甲状腺炎と誤診して副腎皮質ステロイドを投与しないように注意する.
◆病態と診断
A病態
・先天性奇形である下咽頭梨状窩瘻を介した甲状腺周囲の細菌感染症である.
・下咽頭梨状窩瘻は左葉に発生することが多いため,化膿性甲状腺炎は左葉に好発する.
・12歳以下の小児例が多いが,成人発症もある.
B診断
・発熱,前頸部痛,
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