今日の診療
治療

抗リン脂質抗体症候群
antiphospholipid syndrome(APS)
渥美達也
(北海道大学大学院教授・免疫・代謝内科学)

頻度 ときどきみる

◆病態と診断

・抗リン脂質抗体という自己抗体が存在する患者に血栓症や妊娠合併症が起これば,抗リン脂質抗体症候群(APS)と定義する.APSは全身性エリテマトーデスの一部分症として,または単独で発症する(原発性APS).

・APSでは動脈血栓症・静脈血栓症のいずれもがみられ,特に日本人では動脈血栓症が多く,しかも脳梗塞がそのほとんどを占めている.

・APSの妊娠合併症を定義するのは不育症であり,通常の流産が胎盤形成以前の妊娠初期に圧倒的に多いことに対して,APS患者の流産はむしろ妊娠中・後期によく起こる.

・これらの臨床症状があり,抗リン脂質抗体(抗カルジオリピン抗体抗β2-グリコプロテインⅠ抗体ループスアンチコアグラント)が持続的に検出されれば,APSと診断する.

◆治療方針

A血栓症の急性期

 動脈血栓症,静脈血栓症いずれの場合も,急性期の治療については特異的なものはない.すなわ

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