診療支援
治療

慢性硬膜下血腫
chronic subdural hematoma
菱川朋人
(川崎医科大学教授・脳神経外科学1)

頻度 ときどきみる

治療のポイント

・高齢者で,軽微な頭部外傷後数週間~数か月の経過で神経症状を呈した場合は,慢性硬膜下血腫を疑う.

・慢性硬膜下血腫が疑われた際は,CT検査を行う.

・外科治療が中心となるため,診断した際はすみやかに脳神経外科医に相談する.

◆病態と診断

A病態

・頭部外傷後,約3週間以上かけて緩徐に硬膜下腔に血液が貯留する疾患で,高齢者に多く認められる.

・血腫は厚い外膜と薄い内膜に覆われており,外膜からの持続的な出血が原因といわれている.

・血腫の促進因子として,脳萎縮,抗血栓薬の使用,アルコール性肝障害がある.

・頻度は低いものの,若年者で脳脊髄液減少による低頭蓋内圧により慢性硬膜下血腫をきたすことがある.

B診断

・典型的には高齢者軽微な頭部外傷後数週間~数か月の経過で,緩徐に頭痛,認知機能低下,片麻痺,歩行障害などを呈する.

CT検査が診断の基本となる.

・CT検査で血腫は三日月状また

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