頻度 あまりみない
治療のポイント
・日常における食事や運動などが発症要因となるため,患者や家族への生活指導が重要である.
・発作時には血清K値の迅速な補正が求められる.
・2021年に遺伝性周期性四肢麻痺(PP)の「診療の手引き」が作成された.
◆病態と診断
A病態
・PPは,骨格筋細胞膜に発現するイオンチャネルの機能異常により,発作性の弛緩性麻痺を繰り返す筋疾患である.
・イオンチャネル遺伝子に病的バリアントを有する遺伝性と症候性に分類され,それぞれ発作時の血清K値から,低K性,高K性に分類される.
・甲状腺機能亢進症に伴う低K性PPが最も多い.
・遺伝性は常染色体顕性遺伝を示し,多くの原因遺伝子が見出されている.
B診断
・脱力発作はおおむね下肢から上肢に広がるが,下肢限局例や完全四肢麻痺例までさまざまである.
・症状持続は,1時間未満から数日まである.
・意識や呼吸は保たれ,眼球運動や顔面・嚥下・呼吸筋の障害
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