今日の診療
治療

悪性腫瘍の遠隔効果による神経障害
paraneoplastic neurological syndrome(PNS)
田中惠子
(福島県立医科大学特任教授・多発性硬化症治療学)

頻度 あまりみない〔10万人に1人(癌患者における罹患頻度は300人に1人)〕

ニュートピックス

・傍腫瘍性神経症候群では,免疫チェックポイント阻害薬投与は禁忌とされる.

治療のポイント

・亜急性発症神経障害では,背後に潜む悪性腫瘍の検索を行い,早期治療に努める.

・神経症状に対しては,すみやかに免疫治療を開始する.

・診断,治療反応性,予後推定に有用な自己抗体の検出を行う.

◆病態と診断

A病態

・傍腫瘍性神経症候群(PNS)では,悪性腫瘍に対する免疫反応が,共通抗原を発現する神経組織を傷害する.中枢・末梢神経,神経筋接合部,筋のいずれも標的になる.

・腫瘍抗原に感作されたTリンパ球が,神経細胞を直接攻撃する群(細胞内蛋白を認識する自己抗体を生じる)と,細胞表面に発現するシナプス受容体・チャネル蛋白に反応し,その機能を傷害する自己抗体(細胞表面抗原抗体)を生じる群がある.

・前者は,急性経過で神経細胞が脱落し

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