治療のポイント
・身体疾患による精神障害は原因疾患によらず共通の症状を呈することが多く,不安症状と抑うつ症状の頻度が高い.
・甲状腺疾患は有病率が高いだけでなく,精神症状も呈しやすいので,初診時の血液検査には甲状腺機能を加えることが望ましい.
・全身性エリテマトーデス(SLE)による精神症状は診断が難しく,確定診断には髄液検査が必要となることもある.
・治療の原則は原因となっている身体疾患の治療だが,初期には症状に応じた向精神薬の投与が必要になることもある.
◆病態と診断
A疾患概念
・身体疾患による精神障害はかつては症状性精神障害とよばれていた.その概念は脳以外の身体疾患が基礎にあり,2次的に脳が障害されて症状が現れるというものであった.歴史を遡ると20世紀初頭,身体疾患によって生じる精神症状は基礎疾患にかかわらず共通の症状が現れると考えられ,外因反応型あるいは外因好発型とよばれていた.そして,その急