頻度 ときどきみる
治療のポイント
・保存的療法が有効であり,手術は限られた症例のみに行う.
・若年発症例,スポーツ選手,および明らかな血行障害を呈している場合には手術を検討する.
◆病態と診断
A病態
・前斜角筋,中斜角筋,および第1肋骨で形成される三角形の間隙を腕神経叢と鎖骨下動脈が走行する.この部位で神経血管束が絞扼や牽引を受け発症するものを胸郭出口症候群という.
・多くは上肢挙上動作で上肢のしびれ,痛み,あるいは脱力感を生じる.
B診断
・肩外転外旋動作による症状の誘発,橈骨動脈拍動消失,または手の色調に蒼白変化がみられる.
・超音波で前・中斜角筋間距離の狭窄,安静位と上肢挙上位における鎖骨下動脈血流変化,あるいは挙上位造影CTで肋鎖間隙に狭窄像があるかどうかにより診断する.
◆治療方針
A保存的療法
薬物療法,リハビリテーション,および注射治療がある.肩頸腕症候群に対する薬剤や,神経障害性疼痛に対する各