診療支援
治療

手根骨・手指の骨折
fracture of the hand and carpal bones
三宅崇文
(東京大学医学部附属病院・整形外科)

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Ⅰ.手根骨の骨折

◆病態と診断

・手根骨は8個の短骨から構成される.骨表面の大部分が関節軟骨で覆われ,骨内への血行路が限られているため,骨折により癒合不全や偽関節,骨壊死を生じやすいという特徴がある.

・手根骨骨折のうち,舟状骨が最も多く(80~90%),三角骨,有鉤骨,大菱形骨の順で続く.

・手根骨骨折は見逃しやすく,体表解剖を意識した触診による圧痛点の確認が重要である.単純X線検査のみでは診断が困難なことがあり,疑わしい場合にはCTMRI検査を考慮する.

・舟状骨骨折は,典型的には手関節背屈位で手掌をついて受傷することが多い.舟状骨結節や解剖学的嗅ぎタバコ窩の圧痛がある場合には本疾患を疑う.受傷初期の単純X線像では骨折線が不明瞭なこともまれではなく,期間をあけての繰り返しの検査やCT・MRIなどの追加検査を考慮する.

・有鉤骨骨折は,野球やテニス,ゴルフなどのグリップエンドでの受傷

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