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治療のポイント
・外傷により「後頸部の筋肉痛」を主体として,「頭部・上肢への放散痛」などを呈する症候群である.
・画像的異常所見に乏しく,病態が明らかでない部分もある.
・一般に予後は良好であり,「対症療法」を行いながら可及的にADLを拡大することが重要である.
◆病態と診断
A病態
・特に交通外傷(追突)など,比較的軽微な外傷を契機に頸部痛を発症する.
・従来「むち打ち損傷」として広く認知されてきた.
・頸部の過伸展や,代償性の筋収縮による後頸部の筋肉,靭帯などの損傷が原因と考えられるが,画像的異常所見に乏しいことが多い.
・頭部や上肢への放散痛,めまい,不安・不眠,全身倦怠感など多彩な症状を呈しうる.
・事故に対する補償の問題を背景に,本来の病態から考えられるよりも明らかに遷延した強い症状を訴えることがあり,心理社会的な影響は大きい.
B診断
・頸椎正面・側面X線で脱臼や骨折がないことを確認する