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GL腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021改訂第2版
治療のポイント
・比較的緩徐に進行する下肢痛しびれ,間欠性跛行,膀胱直腸障害をきたす患者は,本症を念頭におく.
・治療の第1選択は保存治療であるが,手術適応となるタイミング(後述)を見逃さないようにする.
・保存加療が奏効しない場合は,手術加療を考慮して脊椎外科専門医への紹介を考慮する.
◆病態と診断
A病態
・本症の定義において統一した見解はないが,一般的には黄色靭帯の肥厚,椎間板の膨隆,椎弓や椎間関節の肥厚,骨棘の増生などにより腰椎レベルの脊柱管が狭窄し,神経根(神経根型)や馬尾(馬尾型)の圧迫により神経症状を伴う症候群と考えられている.
・生来の脊柱管狭小に加えて,先述した退行変性による脊椎症性変化により,中年以後に発症するものが大多数である.腰部の姿勢により症状が増悪または改善することが特徴である.
・下肢神経症状は,立位や直立で