頻度 情報なし
治療のポイント
・症状がない場合は経過観察でよい.
・対症療法として,疼痛管理を目的とした薬物療法を行うことがある.
・手術は腎固定術を行う.
◆病態と診断
A病態
・定義:仰臥位から立位への体位変換の際に,腎が2椎体以上または5cm以上下降する状態.
・原因:腎は周囲組織により後腹膜に固定されているが,これらの発育障害や脆弱性などが原因.
・疫学:若く痩せた女性に多く,女性の20%に画像上の腎下垂の所見があるが,大半は無症状である.右腎が70%で,両側性は20%に認められる.
・症状:腎の下垂により,腎静脈圧や腎盂内圧が上昇し,側腹部痛,嘔気・嘔吐,血尿・蛋白尿,高血圧などをきたす.
B診断
・超音波検査:腎の異常な可動性,体位変換での軸のずれや血流変化(カラードップラ),立位での下垂などでわかることがある.
・排泄性尿路造影:臥位と立位で撮影し腎の下垂を認めた場合,確定診断できる.
・CT:ほかの