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治療のポイント
・乳幼児の包茎の大部分は生理的であり,治療介入不要である.
・瘢痕化のリスクがあるので,無症状の生理的包茎に無理な包皮翻転を勧めない.
・嵌頓包茎は,用手的な整復が困難であれば,すみやかに専門医にコンサルトする.
Ⅰ.包茎
◆病態と診断
A病態
・包皮口(包皮輪)が狭いため亀頭を露出できない状態を包茎という.出生直後の男児はほとんどが包茎であるが,成長とともに包皮翻転が可能となる(生理的包茎).
・病的包茎とは感染や炎症により包皮口が瘢痕化し,翻転できなくなったものである.
・成人の真性包茎は性感染症や陰茎癌のリスクであることより,治療が勧められる.
B診断
・包皮を陰茎の根本に向かって軽く押し下げたときに,包皮が開かず亀頭が観察されなければ包茎と診断できる.
・病的包茎では,包皮口が白色調で硬く,狭小化している.
◆治療方針
小児の生理的包茎は治療の必要はないが,尿路感染症を反復する