診療支援
治療

腎移植患者のケア(術後観察中に起こる合併症への対策)
post-operative care and treatment for kidney transplantation
内田潤次
(大阪公立大学大学院教授・泌尿器病態学)

 腎移植術後観察中の合併症として,比較的頻度の高い拒絶反応,感染症などへの対応について詳述する.

A拒絶反応

 細胞性拒絶反応と抗体関連型拒絶反応がある.予防には免疫抑制療法が必要である.

1.免疫抑制療法

 標準免疫抑制療法としてバシリキシマブ,カルシニューリン阻害薬(CNI)〔タクロリムス(Tac)〕,代謝拮抗薬〔ミコフェノール酸モフェチル(MMF)〕,ステロイドが用いられる.また,mTOR(mammalian target of rapamycin)阻害薬〔エベロリムス(Eve)〕を用いる場合もある.

a.CNI(Tac)

Px処方例

 タクロリムス(グラセプター)カプセル 1回0.1~0.2mg/kg 1日1回 朝食後.血中トラフ濃度を移植後1か月以内は8~12ng/mLに,3か月以内は6~8ng/mLに,3か月以降は4~6ng/mLに調節

注意 副作用として腎障害,高血圧,脂質異常症,耐糖能

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