診療支援
治療

多形滲出性紅斑(多形紅斑),環状紅斑
erythema exsudativum multiforme(EM:erythema multiforme)and annular erythema
小川陽一
(山梨大学講師・皮膚科学)

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治療のポイント

・多形滲出性紅斑は感染症や薬剤性遅延型アレルギー(薬疹)が主な原因であり,治療と並行して原因検索が必要である.

・環状紅斑は疾患名ではなく皮膚症状名であるため,原因となる背景疾患の検索が必要である.

◆病態と診断

A病態

1.多形滲出性紅斑

・体内に曝露された病原体薬剤由来の抗原,あるいは抗原抗体複合体に対する過敏反応と考えられる.

・原因が同定できないケースもあるが,感染症(単純ヘルペス,マイコプラズマ,溶連菌など)の関与は検討する必要がある.

2.環状紅斑

・背景疾患が不明なこともあるが,感染症(ボレリア,レンサ球菌など),膠原病(シェーグレン症候群,エリテマトーデスなど),悪性腫瘍栄養障害(亜鉛欠乏など),肉芽腫性疾患が原因となる.

・皮疹の形態メカニズムは不明である.

B診断

1.多形滲出性紅斑

四肢優位に分布する3層からなる標的病変が孤立性,融合性に出現することから

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