頻度 ときどきみる(本邦では年間約10,000人が罹患し,約5,000人が死亡する)
GL卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン2020年版
ニュートピックス
・「卵巣腫瘍・卵管癌・腹膜癌取扱い規約 病理編 第2版」において,両側卵管粘膜病変を含む高異型度漿液性癌がある場合,あるいは卵管の少なくとも一部が卵巣腫瘍と一塊となっている場合の原発巣は卵管とすることが規定された.
・Ⅲ/Ⅳ期卵巣癌の初回治療後のベバシズマブ・オラパリブ併用維持療法は,ベバシズマブ単独治療と比較して,相同組換え修復欠損が陽性であれば全生存期間を延長することが示された.
治療のポイント
・手術と抗癌剤を有効に組み合わせ,腫瘍量を極力減らすことが治療の大原則である.
・初診時に広範な腹膜播種や他臓器への転移がみられた場合には,試験開腹や審査腹腔鏡を行って腫瘍の組織診断を行い,その後,化学療法を行う.
◆病態と診断
A病態
・卵巣癌は単一疾