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GL産婦人科診療ガイドライン産科編2023
治療のポイント
・心身の安静と休養,少量頻回の食事摂取と水分補給を促す.
・深部静脈血栓症のリスク因子であることに留意する.
・頻回の嘔吐や食事摂取不良によって,低K血症に陥りやすい.輸液にはKを含む輸液製剤を選択し,ウェルニッケ脳症予防のためにビタミンB1(チアミン)を添加する.
・長期にわたる摂食障害からビタミンK欠乏症をきたし,胎児頭蓋内出血を起こすことがあるためビタミンK1 を補給する.
◆病態と診断
・妊娠初期の半数以上にみられる悪心・嘔吐症状(つわり)が悪化し,栄養・代謝障害をきたして,5%以上の体重減少のほか,脱水,電解質異常などの症状を呈し治療を必要とする状態をいう.
・重篤化し代謝障害をきたすと,ケトーシス,代謝性アシドーシスとなり,肝機能障害を中心とした多臓器機能不全や脳障害を発症することがある.
・全妊婦の0.5~2%に発症する
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