診療支援
治療

羊水塞栓症
amniotic fluid embolism
桂木真司
(宮崎大学主任教授・産婦人科)

頻度 あまりみない

ニュートピックス

・現在,臨床的羊水塞栓症にC1インヒビター製剤を投与する多施設共同研究を行っている.複数の症例報告で子宮弛緩の改善が示されている.今後,C1インヒビターの本疾患への応用も期待される.

◆病態と診断

A病態

・羊水塞栓症は分娩中,分娩直後に突然呼吸困難,心停止,意識障害,ショック,弛緩出血などの症状を呈する.

・母体の免疫反応(アナフィラクトイド反応)が主病態とされている.

・肥満細胞が補体系の産物であるC5aなどにより直接活性化され,脱顆粒によりヒスタミンやロイコトリエン,プロスタグランジンなどが分泌される.

・気管支・血管平滑筋収縮,血管拡張・透過性亢進,白血球遊走能亢進が惹起され,呼吸困難,肺高血圧,心停止を引き起こす.

・著明な血液凝固障害,子宮弛緩,分娩後出血を呈する.

B診断

1.臨床診断

・羊水塞栓症は初発症状および主病態が,①呼吸循環不全(ショックおよび心不全・

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