Ⅰ.腸重積症
頻度 よくみる(1歳未満乳児10万人あたり50例前後)
GLエビデンスに基づいた小児腸重積症の診療ガイドライン 改訂第2版(2022)
治療のポイント
・突然に,間欠的な啼泣あるいは不機嫌,嘔吐,血便などを認める.
・重積腸管の出血,壊死を生じうる緊急疾患である.
・輸液ルートを確保後に,非観血的整復を行う.
・非観血的整復不成功例や腹膜炎合併例では観血的整復(手術治療)の適応となる.
◆病態と診断
A病態
・口側腸管が肛門側腸管に嵌入し,腸管壁のうっ血と浮腫,腸閉塞をきたす.腸間膜も引き込まれるため腸管の虚血をきたし,腸管内出血,腸管壊死,穿孔を生じうる.
・先進部に基質的病変を認めない特発性が大部分であるが,先行感染(アデノウイルスが多い)による回腸末端のパイエル板の肥厚やリンパ節腫大が先進部となる.
・発症年齢は1歳未満が35%と多く,生後3か月未満や6歳以上では少ない.ロタウイルスワクチン接