Ⅰ.鼠径ヘルニア
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GL鼠径部ヘルニア診療ガイドライン2015
◆病態と診断
A病態
・小児鼠径ヘルニアの大半は腹膜鞘状突起の開存に起因する外鼠径ヘルニアであり,ヘルニア門は内鼠径輪である.
・本邦における発生頻度は1~5%であり,やや男児に多く,右側に多い.
・脱出臓器は腸管や大網が多く,女児では卵巣脱出の頻度も高い.
・嵌頓ヘルニアとは,脱出の徒手整復ができない状態であり,かつ脱出臓器の血流障害を生じている状態を指す.脱出臓器の壊死性変化により膨隆部の皮膚発赤や強い痛みを呈する.腸管脱出により生ずることが多く,腸管壁の壊死・穿孔から汎発性腹膜炎に至ることがある.
・非還納性ヘルニアとは,自然に還納せず徒手整復も難しい状態だが,血流障害を伴わない状態を指す.
B診断
・おむつ交換時や入浴時などに,腹圧上昇とともに生じる鼠径部膨隆や陰嚢の腫脹として発見されることが多い.
・診察では,脱出臓器を鼠径部