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治療のポイント
・自然に回復する複視や緩徐進行性の複視も珍しくないので,一定期間の経過観察が必要である.
・経過観察後も残存する複視に対しては,プリズム眼鏡装用や斜視手術を考慮する.
・小児では屈折矯正や視能矯正が有効なこともある.ただし,小児では複視の訴えがあることは少ない.
◆病態と診断
A病態
・網膜正常対応がある人に顕性の眼位ずれ(斜視)が生じると,対象物の像が左右眼の網膜の異なる場所に投影されるため,複視(両眼複視)を自覚する.後天性の眼位ずれでは複視は必発である.しかし,抑制や網膜異常対応などの適応現象がある場合には眼位ずれがあっても複視を自覚しないこともある.逆に網膜異常対応があるときには眼位ずれがないのに複視を自覚することもあり,これは背理性複視とよばれる.
・後天性の眼位ずれは眼球運動神経麻痺や眼窩内病変,外眼筋の異常など,さまざまな原因で生じるが,脳内の機能異常で発症す