頻度 ときどきみる
治療のポイント
・アブミ骨底板が固着することで伝音難聴をきたす.
・診断の確定は実際に手術でアブミ骨の固着を確認して初めて可能となる.
・アブミ骨手術では固着したアブミ骨底板に開窓するため,内耳障害のリスクの高い術式である.
・術後長期経過してからピストンの脱落で聴力の悪化やめまいが生じることがある.
◆病態と診断
A病態
・前庭窓前縁部から始まる海綿状の骨病変により,骨組織が線維性結合組織に置換され,代償性の骨新生によりアブミ骨底板が固着し伝音難聴をきたす.骨病変が迷路骨包全体に広がると,骨導聴力の低下も進行する.
・発症機序は不明だが,有病率に民族差があり,日本人の有病率は白人の1/50程度とされ,また女性に多く発症する.
・症状は思春期以降に発症・徐々に進行する.片側性の場合と両側性の場合があるが,両側性の場合左右で異なる進行度を示すことも多い.さらに,麻疹の潜在感染との関連も指摘さ