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治療のポイント
・顎骨(顔面骨)骨折をきたす症例は,顔面単独の外傷ではなく全身を含めた多発外傷であることが少なくない.特に顎骨骨折そのものにおいては,超緊急の手術が必要になることは少ないため,まずは気道の確保など生命予後に直接影響を与える緊急性の高い救命処置が最優先となる.
・顎骨骨折は,咬合の偏位が起きることが多い.そのため咬合機能(かみ合わせ)の回復を念頭においたうえで,顔面形態の回復に努める必要がある.
・歯の外傷のうち,歯の脱臼をきたした状態では,「歯根膜の保護」を念頭においたうえで可及的すみやかに処置を行う.
◆病態と診断
A病態
1.歯の破折
・歯の破折は外力によって歯冠,歯根,もしくはその両方に亀裂や実質欠損を起こすものである.歯の外傷には上記の「歯の破折」と,歯槽窩から歯が脱落もしくは位置の異常をきたす「歯の脱臼」,そしてそれら2つが混在した状態の3つの病態に分類できる.