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治療のポイント
・がん薬物療法,(口腔を照射野に含む)放射線治療中の患者において,種々の口腔関連有害事象が生じる.
・急性期の有害事象として,口腔粘膜炎・口内炎,歯性感染巣の急性増悪・血流感染,口腔カンジダ症,味覚異常,口腔乾燥などがある.
・慢性期の有害事象として,口腔粘膜炎・口内炎,口腔乾燥,味覚異常,歯の齲蝕,顎骨壊死・骨髄炎,開口障害などがある.
・予防的介入が効果的である.
Ⅰ.口腔粘膜炎・口内炎
◆病態と診断
A病態
・がん薬物療法薬,および放射線照射の直接的副作用として口腔粘膜炎が生じる.細菌による感染が粘膜炎を増悪する.原因治療の終了後2週間ほどで治癒(粘膜上皮の再生)するが,感染により重症,遷延化する.治療後にも粘膜の脆弱化,粘膜免疫の低下などにより粘膜炎が生じやすくなっている.
B診断
・粘膜の発赤,びらん,潰瘍,疼痛,摂食障害,会話障害など.
◆治療方針
A予防的介入
薬剤投与