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治療のポイント
・向精神薬による薬物療法と精神・心理療法が中心になる.
◆病態と診断
A病態
・舌痛症とは,視診上,舌に明らかな器質的変化を認めないにもかかわらず,痛みを訴える疾病の総称である.
・中年以降の女性に多く,舌に持続性の限局した自発痛,特に灼熱感(ヒリヒリ,ピリピリ感)などと表現される痛みであり,舌尖部や両側の舌縁部に多い.
・食事中や対話中には自覚しないが,何もしないでいる際に疼痛が増強されるのが特徴である.
・原因は不明だが,半数以上にうつ病や不安障害があるとの報告があり,心理社会的因子の関与も想定されている.
B診断
・器質的異常所見は認められず,食事には支障がない.朝より夕方に疼痛が増強するのが特徴である.
・口腔癌の鑑別のため,口腔内の視診と触診を必ず行う.また,舌炎や口腔カンジダ症,口腔乾燥症などの鑑別も必要である.
◆治療方針
心因性のストレスなどが影響していると考えられ