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診断

2 浮腫

圧痕性浮腫と非圧痕性浮腫

前脛骨部の圧痕性浮腫が出現すれば3kg(50mL/kg)の体液量増加が推測される.

数秒以内に圧痕が肉眼的に改善するfast edemaは低アルブミン血症による浮腫を考える.

非圧痕性浮腫の場合,限局性浮腫であればリンパ浮腫や血管性浮腫,全身性浮腫であれば粘液水腫を考える.

発症後3か月以内の浮腫に対して,10秒圧迫して浮腫回復までに40秒以上ならば,低アルブミン血症以外の原因を考える.これは,指で1-2秒圧迫後に浮腫が2-3秒で回復するという臨床的な判断に相関がある〔Br Med J. 1978 Apr 8; 1(6117): 890-1〕.

▶組織液の蛋白濃度は心不全では4-5g/L,糸球体腎炎では10g/Lであるが,低アルブミン血症では1g/L以下である.このために低アルブミン血症による浮腫では圧痕を保つことができないが,経過が長い場合は線維化を来すことから低アルブミン血症による浮腫でも圧痕が長く残存する.

肥満患者において下腿がむくむという訴えがあっても圧痕を認めない場合は,脂肪組織の沈着による「脂肪浮腫」を考える.この場合は足背の浮腫は認めない.

限局性浮腫

限局性浮腫ならば静脈還流不全(静脈弁不全・深部静脈血栓・悪性腫瘍による圧排),リンパ浮腫,炎症疾患を考えるが,両側下肢浮腫の場合は全身性浮腫の原因も考える必要がある.

片側性下腿浮腫で72時間以内の急性発症ならば深部静脈血栓,慢性であれば静脈弁不全であることが多い.

静脈うっ滞性浮腫は朝方改善,皮膚の色素沈着,静脈瘤の存在が特徴である.

リンパ浮腫は悪性腫瘍の術後に遅れて発症するものが多い.治療に抵抗性で慢性化すると皮膚は固く疣贅状・乳頭腫状となり圧痕を生じなくなり,第2趾の付け根の皮膚がつまめなくなる.

1肢に疼痛を伴う浮腫があれば感染症や深部静脈血栓,反射性交感神経性ジストロフィー

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