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診断

4 動悸

動悸の原因

不整脈・洞性頻脈・心因性の大きく3つに分けて考える.

不整脈

心拍数とリズムの確認のため,動悸発作時に脈をとってもらうのが望ましい.

「脈が飛ぶ」という訴えであれば期外収縮を,「突然おさまる速い動悸」であれば発作性頻脈発作を,「不規則なリズム」であれば心房細動を考える.

規則正しい頻脈発作の場合,①小児期より動悸発作,②頸部で強く動悸を感じる,③深呼吸やいきむことで動悸停止,④動悸発作後の尿意があれば発作性上室性頻拍の可能性が高い.一方,随伴症状としてめまい,気が遠のく感じ・失神があれば心室性頻拍など重篤な不整脈を示唆する.

Holter心電図で不整脈を認めても症状と一致しなければ動悸の原因と決めつけてはならない.

「突然始まる」動悸発作は心因性でもよく遭遇するが,突然おさまる動悸発作は通常不整脈を示唆する.

動悸患者における不整脈の予測

房室結節リエントリー頻拍の診断

▶心房収縮による頸静脈逆流波により頸部に拍動感を感じることが特徴であるとされる.

Holter心電図

▶器質的心疾患のない60-85歳において,上室性期外収縮≧30/時間(13%),上室性期外収縮≧100/24時間(12%),発作性心房性頻拍(14%),心室性期外収縮≧30/時間(14%),心室性期外収縮≧100/24時間(14%)は高頻度に認められる〔Am J Cardiol. 1992 Sep 15; 70(7): 748-51〕.

▶器質的心疾患のない55-75歳において,10.8%で3連発以上の心室性不整脈を認める〔Am J Cardiol. 2006 May 1; 97(9): 1351-7〕.

▶器質的心疾患がない患者で無症候性に心室性頻拍を認めても生命予後には影響を与えない〔N Engl J Med. 1985 Jan 24; 312(4): 193-7〕.

▶不整脈を疑う場合,48時

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