ショック
●急激な全身の組織血液灌流低下により,臓器障害を来すことを示す.
●低血圧(収縮期血圧≦90mmHg)が簡便な指標であるが,普段より30mmHg低い血圧も同様に扱う.
●ショック状態における動脈拍動触知や間接的な血圧測定の信頼性は高いものではないので,血圧に囚われ過ぎてはならない.
●ショックを疑う臨床所見としては5P(①蒼白pallor,②虚脱prostration,③脈拍を触れないpulse-lessness,④冷汗perspiration,⑤呼吸障害pulmonary deficiency)が重要である.
●ショックと血圧
▶平均血圧<75mmHgでは糸球体濾過量が低下し,脳灌流圧を保つためには平均血圧>60mmHgが必要(頭蓋内圧>10mmHgではその分上乗せ必要)とされている.
▶収縮期血圧と比較して拡張期血圧は再現性が乏しい〔Anesth Prog. 1990 Sep-Oct; 3