ショック
●急激な全身の組織血液灌流低下により,臓器障害を来すことを示す.
●低血圧(収縮期血圧≦90mmHg)が簡便な指標であるが,普段より30mmHg低い血圧も同様に扱う.
●ショック状態における動脈拍動触知や間接的な血圧測定の信頼性は高いものではないので,血圧に囚われ過ぎてはならない.
●ショックを疑う臨床所見としては5P(①蒼白pallor,②虚脱prostration,③脈拍を触れないpulse-lessness,④冷汗perspiration,⑤呼吸障害pulmonary deficiency)が重要である.
●ショックと血圧
▶平均血圧<75mmHgでは糸球体濾過量が低下し,脳灌流圧を保つためには平均血圧>60mmHgが必要(頭蓋内圧>10mmHgではその分上乗せ必要)とされている.
▶収縮期血圧と比較して拡張期血圧は再現性が乏しい〔Anesth Prog. 1990 Sep-Oct; 37(5): 244-7〕こと,平均血圧は計算が面倒であることから収縮期血圧が指標として頻用される.
▶動脈拍動触知による血圧の推定
▶聴診法や自動血圧計による血圧測定
□ショックになると血流低下からKorotkoff音が聴取しづらくなり,より血圧を低く見積もってしまう可能性がある.
□自動血圧計では平均血圧は6.7±9.7mmHg低く見積もる.測定された血圧と実際の血圧とは26.4%の症例で10mmHg以上差があり,34.2%では20mmHg以上差がある〔Crit Care Med. 2000 Feb; 28(2): 371-6〕.これは聴診法でも同様とされる.
□逆に高齢者では動脈硬化により血管がつぶれず血圧を高く見積もる可能性がある.
・血圧測定中に橈骨動脈拍動が消失しても動脈を触知できるというOsler徴候はこの偽性高血圧の診断方法として知られているが信頼性は低い〔Arch Intern Me
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