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診断

9 発熱

体温測定

腋窩温や鼓膜温の信頼性は劣るが簡便であり最も頻用される.

直腸温=口腔温+0.4〜0.5℃=腋窩温(あるいは鼓膜温)+0.8〜1.0℃であるとされる.

腋窩温で37℃台は微熱,39℃以上を高熱と定義することが多い.

健常者では早朝に比べ夕方に体温は1.0℃高く,夕方に37.5℃(腋窩温)までは病的意義は乏しい.

朝方に37.0℃(腋窩温)ある場合や1日の体温変動が1℃以上の場合は発熱の可能性がある.

女性では黄体期や経口避妊薬内服中は0.5℃の体温上昇が見られる.

高齢者では0.5℃ほど体温は低く日内変動も小さい.

腋窩温>37.5℃の予測

▶額よりも頸部や腹部の熱感のほうが信頼性が高い.

腋窩温と鼓膜温,直腸温,口腔温

▶鼓膜温と腋窩温は0.06℃の違いのみであり,ほぼ同じと考えてよい〔Crit Care Med. 2007 Jan; 35(1): 155-64〕.

▶直腸温=口腔温+0.4±0.4℃,口腔温=鼓膜温+0.4±1.1℃との報告がある〔Arch Intern Med. 1996 Apr 8; 156(7): 777-80〕.

▶直腸温と腋窩温は小児においては電子体温計で0.85(-0.19〜1.90)℃異なる〔BMJ. 2000 Apr 29; 320(7243): 1174-8〕.

▶腋窩温の信頼性

□外環境や発汗,皮膚との接触具合などの影響で低値になることがあるため,直腸温ついで口腔温の信頼性が高い.

□腋窩温は1時間以内に1.0-1.5℃の変動が見られるが,直腸温は0.1-0.3℃のみである〔Chronobiol Int. 2002 May; 19(3): 579-97〕.

□腋窩温は左右差が1.9℃までありうる〔J Assoc Physicians India. 2000 Sep; 48(9): 898-900〕.


ホルモンによる体温の変化

日内変動

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