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11 心肺停止

心肺停止の原因

低酸素血症,低体温症,循環血漿量減少,高K血症,アシドーシス,薬物中毒,緊張性気胸,心タンポナーデ,心筋梗塞,肺塞栓は可逆的な原因として重要であり,迅速に診断する必要がある.

心肺停止患者における可逆的な原因の覚え方は種々あるが,低いもの(低酸素・低体温・循環血漿量減少),高いもの〔高H血症(アシドーシス)・高K血症・薬物中毒〕,詰まるもの(緊張性気胸・心タンポナーデ・心筋梗塞・肺塞栓)という覚え方などがある.

心原性心肺停止

突然死の原因は心原性(冠動脈疾患や不整脈)が最も多い.

心臓性突然死のリスクとして川崎病を含む心疾患の既往,心血管系リスク要因,突然死の家族歴,服薬内容,過去の心電図の確認が重要である.

初回心電図が心室細動・心室性頻拍の場合,蘇生後の心電図でST上昇があるか早期再分極がない場合は急性冠動脈症候群の可能性が高い.

トロポニンは心臓性突然死の推測に有用であるが,心肺蘇生処置により高値となることもある.

心臓性突然死を疑う病歴

▶心原性突然死症例のうち,冠動脈造影で有意狭窄が指摘されている症例は30%,典型的な狭心症状や亜硝酸薬などの内服歴のある症例が36%である.前駆症状は平均78[5-630]分先行する〔Circulation. 2006 Sep 12; 114(11): 1134-6〕.

心室細動の原因

▶エリスロマイシンは心原性突然死を2倍に,アゾール系抗真菌薬やベラパミル・ジルチアゼムのようなCYP3A阻害薬を併用すると5倍に増やす〔N Engl J Med. 2004 Sep 9; 351(11): 1089-96〕.

▶抗精神病薬服用者は心原性突然死が3倍多い.ブチロフェノン系抗精神病薬を開始して90日以内が最も多い〔Arch Intern Med. 2004 Jun 28; 164(12): 1293-7〕.

▶WPW症候群

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