大腸癌の疫学
●日本での大きな死因として重要で罹患数は10万人近く,悪性疾患で第2位,死亡数は4万人近く第3位と増加傾向にある.好発部位は直腸〜S状結腸で7割を占める.
●50歳以上の男性に特に多く,高齢者では頻度が高いうえに症状を呈しにくい右半結腸癌が増えるため,検査閾値を低くする必要がある.
●直腸〜左側結腸の大腸癌は便秘・便狭小化・血便・直腸診で発見されることが多いが,右半結腸癌では腹痛や貧血などで発見される.
大腸癌のリスク
●生活習慣(喫煙,運動不足,便秘,肥満,糖尿病,野菜摂取不足,肉摂取)と家族歴,潰瘍性大腸炎がリスク要因である.
▶日本での大腸癌の増加には,生活習慣の欧米化が関与しているが,糖尿病も結腸癌に対してRR=1.30(1.20-1.40)とリスク要因であることが知られている〔J Natl Cancer Inst. 2005 Nov 16; 97(22): 1679-87〕.