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17 便秘症

便秘の疫学

便秘の定義は主観的なものであるが,3日に1回の排便までは正常とすることが多い.

人口の5%で見られ,女性に2-3倍多い.

便秘の明確な定義は実はないが,便の回数が少なくなったり硬くなったりすることで,“快便”ではない状態を指す.自称便秘の60%は毎日排便があるともされる〔Dig Dis Sci. 1987 Aug; 32(8): 841-5〕.

重度の便秘症の70%が女性ともされるが,腹筋が弱いこと,羞恥心のため排便習慣が乱れやすいこと,胆汁酸分泌が少ないこと,黄体ホルモンは腸管蠕動運動を抑制することから月経周期に一致して排便習慣の変化しうることが原因として考えられている.

器質性便秘

まず除外すべき器質的疾患は大腸癌と腸閉塞である.50歳以上の便秘患者では2年未満の発症・進行性増悪・体重減少・貧血・便狭小化・便潜血陽性・腹部所見に特に注意する.

全身疾患として薬剤,代謝性疾患,

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