肝臓の身体所見
●肝疾患のスクリーニングとして肝臓自体の診察は価値が限られるが,触診で心窩部に肝臓が触れなければ肝硬変の可能性は低い.
●肝臓を触れた場合は肝臓の性状(硬さ・辺縁が整か不整か・エッジが鋭や鈍か)を確認し,打診にて肝縦径が鎖骨中線上で12cm以上あるかどうかチェックする.
●肝臓の触診
▶解剖学的には鎖骨中線で肋骨下5cmまで肝臓があり,2横指程度は触れることはよくあるので,肝臓を触れた場合には打診で本当に肝腫大があるかどうかを確認する.特にCOPD患者では肝臓が尾側に偏位するため触知されやすいが,右心不全がなければ肝腫大は見られない.
肝硬変における肝臓以外の身体所見
●門脈圧亢進とエストロゲン高値を示唆する所見を見つけることが重要である.
●門脈圧亢進に伴う脾腫・腹水・下腿浮腫・腹壁皮静脈怒張があれば肝硬変を疑う.側副血行路としての内痔核は実は肝硬変と関連は乏しく,メデューサの頭は