脾腫
●脾腫の鑑別は血液疾患,感染症,肝疾患,炎症性疾患を念頭におく.
●リンパ節腫大・巨脾または進行する脾腫・血球増多があれば血液疾患から考える.血液疾患では悪性リンパ腫・白血病がまず見逃してはならない疾患だが,溶血性貧血,真性多血症,骨髄線維症でも巨脾は見られる.
●発熱があればまず感染症を考え,次に血液疾患を考える.感染症の中では鑑別は多岐にわたるが,マラリア・感染性心内膜炎・結核・伝染性単核球症・HIV感染症は押さえておく.
●肝機能障害あれば慢性肝障害や肝硬変を考えるが,肝機能障害がなくても門脈圧亢進を来すような門脈閉塞や脾静脈塞栓症は鑑別にあげる必要がある.
●炎症性疾患にはFelty症候群(関節リウマチで脾腫と白血球減少を伴うもの)などの膠原病やアミロイドーシス,膵炎,Basedow病を含む.
●脾疾患には脾静脈血栓症・脾臓内出血・膿瘍などがあげられるが,原発・転移を問わず固形癌は稀で