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11 心筋症

心筋症

心筋症の大部分を肥大型心筋症(HCM)と拡張型心筋症(DCM)が占め,中高年男性に多い.

肥大型心筋症(HCM)

若年者突然死の重大原因である.特に運動選手では多いと考えられている.

常染色体優性遺伝することが知られているが,実際は家族歴を認めないことのほうが多い.

心電図では異常Q波,左室肥大,ST-T変化(陰性T波)の3項目が重要である.

心尖部肥大型ではV4中心のR波増大と巨大陰性T波を生じるため,異様な心電図となることがある.

高血圧性心肥大との鑑別には非対称性左室肥大(IVST/PWD≧1.3)が簡便な指標であるが,HCMの1/3は対称性な心肥大であることに注意する必要がある.

運動選手の左室肥大では左室内腔は拡大傾向となることと,左房拡大は見られないことが鑑別点である.

中年男性における原因不明の左室肥大・肥大型心筋症では心Fabry病を否定する必要がある.

日本では

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