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11 心筋症

心筋症

心筋症の大部分を肥大型心筋症(HCM)と拡張型心筋症(DCM)が占め,中高年男性に多い.

肥大型心筋症(HCM)

若年者突然死の重大原因である.特に運動選手では多いと考えられている.

常染色体優性遺伝することが知られているが,実際は家族歴を認めないことのほうが多い.

心電図では異常Q波,左室肥大,ST-T変化(陰性T波)の3項目が重要である.

心尖部肥大型ではV4中心のR波増大と巨大陰性T波を生じるため,異様な心電図となることがある.

高血圧性心肥大との鑑別には非対称性左室肥大(IVST/PWD≧1.3)が簡便な指標であるが,HCMの1/3は対称性な心肥大であることに注意する必要がある.

運動選手の左室肥大では左室内腔は拡大傾向となることと,左房拡大は見られないことが鑑別点である.

中年男性における原因不明の左室肥大・肥大型心筋症では心Fabry病を否定する必要がある.

日本では374人/10万人の罹患率が報告されている〔J Cardiol. 1989 Sep; 19(3): 933-43〕.

常染色体優性遺伝をすることが知られているが,日本では家族歴は17.6%でのみ認めるという報告がある〔Circ J. 2002 Apr; 66(4): 323-36〕.なお,拡張型心筋症では家族歴は6.2%のみである.

心電図所見

▶major criteria:複数誘導で異常Q波,左室肥大,複数誘導で陰性T波(下壁誘導では5mmそれ以外では3mm以上が有意とされることが多い)の3項目のいずれか.

心エコー検査

▶左室肥大の特徴(高血圧性心肥大患者との比較)

▶各疾患における左室肥大と左室内腔

▶左室肥大を呈する疾患の鑑別

▶肥大型心筋症における乳頭筋異常は閉塞性肥大型心筋症の発生機序としても重要視されている.

MEMO 心Fabry病

Fabry病はαガラクトシダーゼA欠損に

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