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19 二次性高血圧症

二次性高血圧症

高血圧症患者の5-10%が二次性高血圧症とされる.

30歳未満での発症,高血圧症の家族歴がない,肥満がない,薬剤を3種類使用してもコントロール不良な高血圧症は特に二次性高血圧症のチェックが必要である.

頻度の最も高い腎性高血圧症は採血で診断が容易であるが,腎血管性高血圧症と原発性アルドステロン症は頻度が比較的高いにもかかわらず疑わないと分からない.それ以外にはCushing症候群・褐色細胞腫を鑑別する必要がある.

他の原因として内分泌性高血圧症では甲状腺機能低下症・甲状腺機能亢進症・副甲状腺機能亢進症,先端巨大症を考える.

薬剤としては,Na保持薬剤(NSAIDや甘草,ステロイド),交感神経刺激薬剤,シクロスポリン,エリスロポエチンなどが原因となる.

生活習慣としては塩分摂取以外に,アルコール依存症,喫煙,肥満/睡眠時無呼吸症候群が重要である.

本態性高血圧症であれば30-55 歳で発症することが多い.

腎血管性高血圧症

動脈硬化(加齢・喫煙・高コレステロール血症)がある患者に多いが,線維筋性異形成や大動脈炎でも起こるため若年女性にも多い.

原因不明の腎機能障害,突然の肺水腫を来したが心機能が比較的正常な場合,ACE阻害薬やARBにより急激な腎機能障害が見られた場合は積極的に疑う.

腹部血管雑音(特に収縮期雑音+拡張期雑音)を聴取すれば可能性はかなり高くなる.

超音波検査は非侵襲的で簡便な検査として有用であり,最大収縮期血流速度≧100-200cm/秒であれば腎動脈狭窄と考える.

特異的検査の中ではCT血管造影や造影MRAが最も優れる検査である.

腎動脈は50-75%の狭窄を有意とするが,一側性の狭窄が70-80%と多く両側性が20-30%とされる.両側性であれば動脈硬化性の可能性が高い.

両側腎動脈狭窄ではflash pulmonary edemaが起

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