糖尿病の原因
●2型糖尿病の発症原因は遺伝因子と環境因子が半々である.
●糖尿病の10%は1型糖尿病である.若年での発症,肥満なし,急性発症,甲状腺疾患や1型糖尿病の家族歴があれば1型糖尿病を疑う.診断には抗GAD抗体や膵島細胞抗体が有用だが絶対的ではない.
●中高年者における急性の糖尿病発症・増悪では膵癌を除外する必要がある.
●1型糖尿病の予測因子
●1型糖尿病の診断(30歳未満の新規発症1型糖尿病患者と健常者との比較)
▶上記の自己抗体は発症年数が経過すると感度が低下する.
▶1型糖尿病に対して特異度が90%となるカットオフで設定すると,抗GAD抗体の感度は84(62-96)%であり,抗インスリン抗体の感度36(13-66)%よりも高い〔Diabetes. 2003 May; 52(5): 1128-36〕.
▶slowly progressive 1型糖尿病は30-50歳で発症し,緩徐進行するため2型糖尿病のような発症をする.膵島細胞抗体(ICA)は5-40JDF単位と低抗体価であるにもかかわらず抗GAD抗体は高値となる.
▶2型糖尿病であっても抗GAD抗体は発症から5年以内では2.8%,それ以上の経過がある場合は0.9%で陽性となる.発症後5年以内で抗GAD抗体≧20Uであれば1年後に67%でインスリンを必要とする〔Diabet Med. 2002 Sep; 19(9): 730-4〕.
●それ以外の原因としては膵疾患,肝硬変症,内分泌性(先端巨大症・Cushing症候群),薬剤性(ステロイド・非定型抗精神病薬),妊娠を考える.
糖尿病の病歴
●新規糖尿病患者に最も高頻度に認められる症状は口渇・多飲・多尿と,意図しない体重減少である.
●家族歴と肥満はそれぞれ新規糖尿病患者の半数で見られる.
●糖尿病発見時にすでに血管障害や腎障害・神経障害・網膜症を来している例も多く,早期に発見する努
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