甲状腺機能亢進症の原因
●甲状腺機能亢進症はBasedow病が多いが,亜急性甲状腺炎や無痛性甲状腺炎との鑑別が重要である.
●Basedow病は30-50歳での発症が多く,男女比1:8程度で女性に多い.
●亜急性甲状腺炎や無痛性甲状腺炎の甲状腺機能亢進症状は1-2か月で自然軽快する.
●Basedow病は人口の1.85(1-2.7)%の頻度で見られる〔BMJ. 2004 Aug 14; 329(7462): 385-90〕.
▶無痛性甲状腺炎は橋本病の急性増悪や,出産後甲状腺炎を含む.
▶産褥期甲状腺炎だけではなく,絨毛癌や胞状奇胎(HCG薬はTSH様作用あり),卵巣性甲状腺腫では甲状腺機能亢進症になる.
甲状腺機能亢進症の症候
●活動性亢進,食欲増加しているのに体重が減少,動悸,振戦,暑がり,汗かき,温かく湿潤した皮膚,脈拍数>90/分,脱力感,甲状腺腫は甲状腺機能亢進症を疑う.
●高齢者の甲状腺機能亢進症は非典型的であることも多く,心房細動からの心不全や骨粗鬆症からの骨折を呈しやすく,注意を要する.
●他にはいらいら感,頻便,月経過少,浮腫が見られたり,若年者では食欲亢進が顕著なため体重増加が見られることもある.
▶30歳以上の患者の70%で標準体重よりも体重は軽い.一方,20歳未満の患者では68%が標準体重よりも体重が重い〔Endocr J. 1999 Mar; 46 Suppl: S101-3〕.
●発症3か月以内の心房細動では甲状腺機能亢進が5.4%(TSH<0.1mU/Lが0.7%,0.1<TSH<正常下限が4.7%)で見つかる〔Arch Intern Med. 1996 Oct 28; 156(19): 2221-4〕.
●高齢者では活動性亢進よりも無気力で発症することも多い.また体重減少や心症状が目立ちやすい〔Med Clin North Am. 1991 Jan; 75(1):
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