診療支援
診断

3 結晶性関節炎

痛風発作

大酒家の中年男性に起こるのが典型例であるが,利尿剤内服中の高齢女性に関節リウマチ様に発症することもある.

24時間以内にピークに達する関節炎で,2週間以内に消失する場合は痛風を第1に考える.

体温の低い部位に結晶が析出するため第1中足趾節関節炎を認めることは診断的価値が非常に高い.一方,体幹に近い肩・股関節は罹患しがたい.

耳介や関節伸側・手指などに痛風結節を認めることも特異度が高い所見である.

日本での痛風の有病率は0.51%(男性1,315人のうち1.1%,女性1,435人のうち0%)との報告がある〔Nihon Rinsho. 2008 Apr; 66(4): 647-52〕.

女性の痛風

▶女性では75-85%が閉経後の発症で,平均発症年齢は男性より7-10歳高い.60歳以上で初発する患者の50-60%は女性で,80歳以上で初発する者のほとんどは女性である.高齢発症の痛風では75%(特に女性では95-100%)が利尿剤の内服をしている.60歳以上では多発関節炎としての発症が10-50%を占める〔Rheum Dis Clin North Am. 2007 Feb; 33(1): 33-55〕.

▶女性の場合25%が手指の初発症状を訴えるが,男性では0%〔Ann Rheum Dis. 1987 Jan; 46(1): 72-6〕である.


家族歴は40%で認められ,ほとんどの患者が2回以上の発作を起こす.2回目の発作は2年以内に78%で,10年以内に93%で起こる〔Rheum Dis Clin North Am. 2007 Feb; 33(1): 33-55〕.


関節炎,痛風結節

▶初発発作は85-90%が単関節炎であり,60%が第1中足趾節関節に起こる〔Rheum Dis Clin North Am. 2007 Feb; 33(1): 33-55〕.

▶夜間に関節液

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?